中西 そうしますと、大学を卒業されてから、そのまま教師になられたんですか？
高木 そうです。最初は東京の中学で、それから神奈川の高校の教師になり県立立野高校に戻ってきました。
中西 これも縁がありますね(笑)木造の方ですか？
高木 いや、本牧の方です。そのあと大学院の方に行って、それから戻ってきて、筑波大附属駒場の中高に行って･･･。それから福井大学に行って、静岡大学に行って、横浜国大に戻ってきた。
中西 全国をずっと歩かれたんですね。すごいですね。大学の教授が校長を兼任することが附属中学の伝統になっているんですけれど、歴代の校長では一番若いんじゃないんですか？
高木 そんなこともないですよ。小学校の校長先生方もみんな若いですし、今の森本先生も私より若いし。
中西 中学は今までどうなんでしょう、みんな60歳くらいじゃなかったんですかねぇ？私が知っている限りですが。
高木 あぁ、そうですか。
中西 それで65歳の定年間近まで、という人が今まで多かったんですけどね。その中での大抜擢で、我が附属同窓生の中から輩出していただいて、私たち同窓会も非常に喜んでおります。
高木 それは学部長も、お前出身だろということでね、それは考えてくださったみたいです。
中西 自然発生的にこの前の同窓会総会でもエールが出てきましたね。やはり同窓生7000人の期待が、その肩にかかっているわけですので(笑)。もう任期が一年終わりましたが、いかがでしたか？
高木 生徒は変わっていないし学校自体の伝統も残っていますよね。この自由な、と言いますか、自立と自主みたいな所は。
中西 リーダーを育てる、国際的見識を育てるという目標を以前は持っていましたが。
高木 私は専門が教育方法学といって、まぁカリキュラム論とかですね、それから授業をどうするかとか、授業研究というのが専門なんですよ。するとですね、これは同窓会の席なので言えるんですけど(笑)、小学校から高校まで年間100近い学校を見ていて、附属の授業は良いですよね。これは自慢していいと思いますね。
中西 どういう所が特に？
高木 考えさせる授業が組み立てられているんですよ。これはもう伝統だと思うんですね。それに対して、生徒もちゃんと様々な考えを出しますし、例えば今、星川さんがいらっしゃるけど、星川さんの代からでもリテラシーとか、プレゼンとか、あぁいうのはやっぱり他所に増してうちはしっかりやっています。それに特に最近の附属中の傾向で行くと、とにかく国の政策の中の新しいところを取り入れようということがありますので、全国に先駆けた研究会もやっています。この間、2月24日はおよそ550人の方が来まして、このような本を作ったんですよ。
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中西 この「読解力とは何か」という本ですか。
高木 次の学習指導要領の中心にこれが入ってきます。
中西 これはたしか三冊目ですよね？
高木 そうです。去年も出ていますね。たぶん今度の六月も出す予定になっています。
中西 そうですか、大したものですね。プレゼン力を身につけて、読解力を身につけて、学校の知名度そのものを上げる。入学志願者数を見ていると、ここの所ずっと増えているのはそういう部分で多少なりとも外部への発信が増えて、それが結果に結びついているのかなぁと私は思うんですね。
高木 授業をご覧になった方のうち、どちらかというと今回は委員会関係の人が多く見えているんですよ。そういう方々が見て、非常に高い評価をしてくださっている。
中西 この本はもう書店で売っているんですか？
高木 3月15日発売です。
中西 収益金の方は学校へ？
高木 この収益金はやはり、この次の本を出すための費用に割り当てられますね。本を出すとお金が結構かかるんですよね。
中西 校長の任期が二年ごとということなので、ずっと長くやって頂きたいんですが、（高木先生の）在任中に他の校長には出来ない何かをやってもらえるようなことが無いのかなと期待しているんですけどね（笑）
高木 はい（笑）
中西 まぁ目標を言ってしまうことはできないんですが・・・。高木校長の在任中にこういうことをやったんだよっていう何かがありますとね、まぁ外壁を直すでもいいんですけれども（笑）
高木 多少は直ってきていますよ、プールのネット等ですね。やはり、後輩のためになるようなことは何とかやりたいと思っています。
中西 何か残していただけるとね。
高木 それは当然、OBとしては、出来る限りのことはやろうと思っているんですけど。
中西 60周年はまだ具体的には何も？
高木 まだ、ちょっとPTAとの関係もありますので･･･。大きな行事は無いですが、生徒には思い出に残る何かが出来ればということで。企画は少しずつ始まっています。
中西 やるとしても春ではなく秋ですか？
高木 えぇ、当然秋になりますね。
中西 同窓会の方でも何か、お役に立てることがあれば。
高木 ありがとうございます。60周年はそんなに節目ではないのですが、記録などといったものはきちんと整理しておこうと今考えています。
中西 17期の卒業生が校長先生になられるということは、同窓会活動において非常にラッキーだと感じております。高木先生の学校に対する熱意、これはもう今までのどの校長にも負けないものを持っておられると思います。高木校長の今後の活躍を卒業生みんなが期待して見守っておりますので、今後ともぜひ頑張っていただきたいなと思います。
高木 ありがとうございます。