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インタビュー 千葉景子さん(15期)

6.国会議員の力

国会議員は、議会の構成員でもあるし、政党に属していれば政党の一員でもあるわけですが、 国会議員1人の力というのは、どのようなものなのでしょうか?

国会議員、地方議会議員でもおなじですが、議員は、権能は色々頂いていますけれど、政治的に1人で決定したり処分したりする権限を持っている仕事ではないと思います。

議員の仕事は、政策を提示して市民の意見を聞いたり、市民の声を受け止めて、またくみ取って、政策を作っている場につないで、反映させていく仕事だと思います。ですから、良い悪いは別にしても、1つの政党のような大きな集団を作って、そこが政治の中枢を担ったり、お互い競い合って論争したりすることによって政治的な力が生まれてくるものだと思います。議員は単なる口利き屋ではないはずです。

1人の議員は、そういう意味では1つの駒という面もあります。政治は、政党のような組織・集団を活用することによって、1人1人から受け止めたものを集約して、社会を動かす力にしていくものだと思います。

また、女性議員の力というのは、どう感じられていますか?

議員という意味では、男性と権限が違うものではないし、立場も同じです。ただし、女性は男性と比べると、色々な「しがらみ」がないですよね。これは弱みでもあるし、逆に強みでもあります。女性は従来からの社会的な力・背景がないという弱みはありますが、逆にいえばその圧力もないんです。どこに遠慮することなく、ものを言ったり、振る舞ったりすることが出来ます。また、生活や地域に対する密着度も女性の方が強いですから、そこにある問題点を肌で知っているということも強みですね。

千葉さんは当初属されていた社会党・社民党から民主党に移られたわけですけれども、その訳を教えていただけますか?

党を変えた理由は、一言で言えば時代が大きく変わったことです。

従来は、55年体制、つまり大きな自民党と批判勢力という構図があって、社会党はそういう意味では批判勢力としての機能を果たしてきました。けれども他方で、この体制が長く続きすぎて、悪弊もついてしまったように思います。一方は必ず政権を執り、他方がいつも批判しているという構図が限界になったのではないか、と感じたのです。

そうしたときに、これまでとは違う大きな枠組みで新しい政党を作ろうではないか、ということで民主党が作られることになりました。私自身も、批判勢力にとどまらずに、二大政党制のような形にして政権を交代しながら担っていくと、緊張感も出てくるし、切磋琢磨できるのではないかと思いをめぐらしていました。有権者の立場からしても、政権政党を選ぶ時代になったのではないかと思いますし、実際、そのような世論も大きくなってきていました。そのような経緯で、新しい民主党に参加することを決意したのです。

千葉さんは参議院議員3期目を務めていらっしゃいますが、当初ご自分で抱かれていた政治家像と、現在のご自分とを比較するといかがですか?

弁護士という仕事柄や、何かの組織を背負って国会議員になったわけではないということもあると思いますが、当初私が国会議員になるときには、私も「一市民」としてみなさんの声が政治に反映できたら、という思いが基本にありました。それは今でも変わっていません。現在まで、このことを忘れずに活動しているという点では、まずまず頑張れていると思います。

ただ、議員になる前となった後で多少違うのは、そうは言っても、政治というのは、そのみなさんの声をちゃんと生かすためにも、それなりの力がないとこれが十分には出来ないと逆に思うようになったことです。

基本にある、思い・行動自体は変わっていないけれども、その実現の仕方という面では考え方に変化がありました。国会議員になった当初は、自分にいただく声をいろんな機会に発言することが役割だろうと思っていたのですが、本当にその声を生かすためには、発言するだけでは足りないんだと思うようになってきました。みなさんの声を生かすためには、ある意味では、権力や力が必要なのだと感じるようになったのです。もちろん、その権力や力というのは、市民の暮らしの中での声を生かすためのものですよ。

取材中の千葉さん

取材中の千葉さん

同窓生紹介コラム 千葉景子さん(15期)
  1. 中学校時代
  2. 大学〜弁護士専任時代
  3. 参議院議員への立候補
  4. 参議院議員としての活動
  5. 国会議員と弁護士
  6. 国会議員の力
  7. 趣味について
  8. 卒業生へのメッセージ
  9. 国立大学法人法の成立について
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