それから夏季集落が面白かったですね。夏季集落というのはいわゆるキャンプでして、旅館で泊まるのとバンガローに泊まるのを途中で交代しました。毎年行く場所は箱根で、ちょうど7月31日に箱根の湖上祭りで花火が上がるのを、夜みんなで往復1時間以上かけて歩いて見に行きました。3泊4日でしたね。 また旅館でいたずらをしてカンカンに怒られました。そこそこ有名な旅館で障子を全部破いて、先生からも怒られたし旅館のおじさんからも怒られました。笑 バンガローに落雷があって停電になったりもしました。
9期はマメに面倒見てくれる友達がいたから、その後も夏季集落の影響だとおもうのですが高校生・大学生の時も皆で毎年夏休みにキャンプに出かけいます。これは長く続いていました。磐梯山に登ったり志賀高原に行ったりしました。
いま武蔵中学の生徒さんが1年2年と海と山に、附属で言えば夏季集落に行きます。海にも山にも学校の寮があってこれを利用していますが、財政上は相当の赤字なので、学校の財政・経営面からやめたほうがいいという意見が出ているのですが、行事そのものは僕の附属中学での経験から言っても非常に面白いから続けた方がいいと思います。学校の寮じゃなくても十分に夏季集落のいいところは実現できることも自分の経験を踏まえて言ってます。 いちばん難しい所は先生方の苦労が増えることです。特に今の子供たちは手間がかかりましてね…。
行事に関して一番印象に残ってるのは国語の佐藤先生でした。 当時の修学旅行は伊勢神宮と京都・奈良に行きましたが、またぞろ奈良でいたずらをしたら板倉先生からこっぴどく叱られて宿屋の廊下で正座とかさせられましたね。でも佐藤先生は叱り方が違いました。頭ごなしでなく生徒が後で心に残るような諭し方をして、僕は子供心にジンときて泪が出ましたよ。
附属は色々な先生がいらしたことで、人数が少なくてもそれぞれ個性的でした。生徒も2クラスしかないから3学年みんな知っていましたね。 学校の教師になってから思いますが、教育とは最後はface to faceだと思いますね。勉強だけだったら今は色々な方法で出来ますが、それぞれの生徒や先生方の心に長く残るものを多様、かつ多量にするためにはきちっと顔が見えて、相互に心の通じ合える範囲の教育の場であることがいいと思います。その点で附属中学は2つしかクラスが無くてよかったです。